終活の出張撮影

終活

 

「死ということを意識すると気持ちが萎えてくる」「お墓のことなんて考えたら死期が早まるのではないか」など、人生の後半戦ともなればみなさん同じような気持ちになります。

しかし、どんな人でも、死ぬということを避けられないのです。

そして、その時は突然やってくるかもしれないのです。

いつか来るその日のために、少しでも心を軽くして、ポジティブに「死」と向き合う準備はできないだろうか。

そんなふうに日々思います。

 

最近では「終活」という言葉をよく耳にします。

僕はテレビ番組でその言葉を知りましたが、東北地震後、急速に広まったようです。

かつては、家族との話し合いといえば遺産相続がメインだったと思いますが、遺族に迷惑をかけたくないという理由から、お墓や遺影写真を自ら進んで準備する方が増えています。

また、エンディングノートといって、終末期医療についての対応や葬儀への希望、友人や知人などへの連絡先、貯蓄・保険・年金・その他の貴重品の情報など、家族が困惑しないための情報を記します。

携帯電話や新聞などの契約先や、デジタル情報(各アカウントIDやパスワード)も一覧にしておくなど、日常生活で必要なことをまとめておくのもエンディングノートです。

遺言書のように法的効力はないので、どちらかというとメッセージ性が強いのかもしれません。

 

エンディングノートが人生の最終章を迎えるにあたり、ご自身の思いやご希望をご家族などに確実に伝えるためのノートだとすれば、それは幸せなエンディングを迎えるためのシナリオ本とも言えます。

残りの限られた時間にどんなストーリーを描こうか、どうすれば自分の思いが伝わるか、人生の後半戦を「どう生きるか」しっかり向き合える機会になるのかもしれません。

 

たとえば、人生に未練はないか。やり残したことはないか。

そんなリストを挙げていくと、あっという間に明日以降のスケジュール表が埋まってしまうのかもしれませんね。

『死ぬまでに絶対見ておきたい絶景』という話題が多いのも納得できます。

僕も只今リストを制作中です。

 

人生の目的は、ひとりひとりの希望の分だけ存在すると思います。

そう考えれば、終活は、新しい旅の身支度です。

 

 

最近は、遺影写真を撮影するときに「どんな顔を見てもらいたいですか」とお客様に聞いています。

お客様によって旅の時間が違いますので、その答えは様々ですが、自分自身のエンディングテーマを持っていると自然と顔がほころぶようです。

 

誰でも、死は怖いです。

しかし、死というネガティブな思いが払拭されたその顔は美しいです。

 

どんな境遇の人でも、心を自由に旅をすることはできるのです。

「自分らしい姿を残そう」とこれまでの人生や、大切にしていることを少し立ち止まって考えることで、自分の生き方を見直すきっかけが生まれてくるのかもしれません。